横溝正史 三つ首塔
章
これ以上は核心のネタバレになので、後は本を読んでください。
出来事
年 | 月日 | 出来事 |
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昭和十二年 | 玄蔵、来日し三重の供養塔を建てる。俊作と音禰を盗み撮り。
音禰、三つ首塔で巻き物に手型を残す。
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明治十一年 | 玄蔵、大弐を殺害し逃亡。省三、殺害の疑いを持たれて死刑。 | |
昭和二十九年 | 九月十七日 | 音禰、百億の財産相続の話を聞く。 |
十月三日 | 誠也、還暦祝い。音禰、会場の外で初めて悪人と会う。
三重殺人事件
操、毒入りチョコレートを食べ、ダンスステージ中に死亡。 俊作、遺体で発見。その部屋に音禰の髪飾り、造花のくちなしの花が落ちていた。(音禰が悪人に会ったのはこの部屋の前)
三五郎、遺体で発見。首を絞められていた。
音禰、五郎に拐かされる。
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数日後 | 金田一と等々力、音禰を取り調べ。 | |
十月二十八日 | 黒川法律事務所で玄蔵老人の遺言状発表。 | |
十一月三日td> | 音禰、日比谷公会堂の音楽会に行く。そこで建彦、薫に会い、逃げる途中でハンケチを落とす。
音禰、五郎と共に紅薔薇座(ストリップ劇場)へ。そこで蝶子、花子、雷蔵を見る。
この劇場の観客として史郎が来ていた。
音禰、池袋のオリオン座に移動。ここで由香利、鬼頭庄七が劇に出演しているのを見る。
音禰、バーBON・BONに移動。バーから雷蔵が出てきてすれ違う。明美が短刀に刺されて殺されていた。
短刀には音禰のハンカチが巻きつけられていたことが判明。
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十一月八日 | 等々力と金田一、音禰の取り調べのため、上杉家へ。
指紋が残っていたため、音禰にBON・BON行っていたことがバレる。
敬三、上杉家へ。 音禰、追い詰められるが突然、部屋の電気が消える。
(電気を切ったのは茂や。敬三が依頼。)
音禰、取り調べから逃亡するが、誤って雷蔵に連れ去られる。
雷蔵、チョコレートを食べ死亡。双子の一人も死んでいた。
史郎、メリーが帰ってくる。音禰、見つからないように逃げ出し、山口 明と合流。
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一ヶ月後 | 音禰、山口、ヤミ屋仲間の秘密の宴会に参加。建彦、薫も参加していた。庄七、由香利は舞台に出ていた。
会場に警察の手入れが入る。音禰、騒ぎの中、建彦に捕まる。
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一週間後 | 音禰、建彦の家で軟禁状態。
薫、建彦の家に音禰がいたため激怒。
音禰、建彦の家から逃げ出すが、史郎に捕まり江戸川アパートに連れて行かれる。
ヘレン、江戸川アパートで短刀を刺され死体で発見。
史郎が仲間を呼びに行っている間、音禰、鶴巻食堂の平林に電話し助けを求める。
音禰、江戸川アパートで三つ首塔を入手し、住所を知る。敬三、江戸川アパートに駆け付ける。
史郎、由香利と庄七を連れ戻ってくる。
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二月一日 | 音禰、敬三、三つ首塔へ旅立つ。 | |
二週間後 | 法然と仲良くなり、三つ首塔の内部を案内してもらう。 |
登場人物
人物 | コメント |
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宮本 音禰 | 莫大な財産を手にする予定。警官に追われている。
佐竹一族。
三つ首塔を見たことがある?
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悪人
高頭 五郎
堀井 敬三
木下
山口 明
平林 啓吉
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何人かの女を騙し捨てた。音禰も財産が手に入ったら捨てるかも。
三十前後、背の高い、男らしい、青年。会場を出た音禰と出会う。
佐竹家の一族を探し出す。
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上杉 誠也 | 私立大学の文学部長で、英文学者。音禰の母の姉の夫。音禰を引き取る。 |
上杉 和子 | 音禰の母の姉。音禰が女子大卒業前に亡くなる。 |
宮本 節子 | 音禰の母。音禰が十三歳のとき肺炎で亡くなる。 |
宮本 省三 | 音禰の父。誠也の友達。節子を追って亡くなる。 |
佐竹 建彦 | 音禰の母の弟。危ない商売をしている。金に困ったら誠也を頼る。
佐竹一族。
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品子 | 誠也の姉だが親代わりで恩師。和子が亡くなった後に同居。 |
茂や | 上杉家の女中。 |
黒川弁護士 | 百億の財産相続話を持ってくる |
佐竹 善吉 | 音禰の曾祖父。 |
佐竹 玄蔵 | 善吉の弟。和子、節子のタブー。アメリカで成功してその財産を音禰に譲りたいらしい。 |
高頭 俊作 | 二十九歳。音禰が財産を相続するには、俊作と結婚するのが条件。
遺体で発見。毒入りチョコレートを食べた模様。
三十前後の、色の浅黒い、筋骨のたくましい男。派手なアメリカン・スタイルの服装をしている。 音禰との相合傘の刺青をしている。
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岩下 三五郎 | 俊作を探すために誠也が依頼した秘密探偵。
遺体で発見。首を絞められていた。
建彦も佐竹玄蔵氏の血縁のものを探す依頼をしていた。
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笠原 薫 | 笠原姉妹。アクロバット・ダンサー。
佐竹一族。
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笠原 操 | 笠原姉妹。アクロバット・ダンサー。ダンスステージ中に死亡。
佐竹一族。
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等々力警部 | 三重殺人事件を調査。 |
金田一 耕助 | 名探偵。 |
島原明美 | 佐竹一族。脂肪のかたまりのような女プロレスみたいな人。 |
史郎 | 明美の連れ。 |
根岸 蝶子 | 佐竹一族。双子のような姉妹。
ストリップ劇場のダンサー。
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根岸 花子 | 佐竹一族。双子のような姉妹。
ストリップ劇場のダンサー。
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志賀雷蔵 | 蝶子と花子のパトロン。 |
佐竹 由香利 | みすぼらしい服装の少女。 |
鬼頭庄七 | 由香利の養父。 |
武内 潤伍 | 玄蔵老人が財産を譲ろうとしてアメリカに呼び寄せたが、迷惑な行動をするため手切れ金を渡して日本に返す。四十五、六歳。 |
武内 大弐 | 玄蔵老人に殺される。 |
高頭 省三 | 大弐殺しの犯人と間違えられ死刑。 |
ユリ子 | 山口 明の手下。
俊作に騙され捨てられたが、山口に助けられる。
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トミ子 | 鶴巻食堂を主人。平林の手下。 |
お清 | 三つ首塔のある村の湯治場の女中。 |
法然和尚 | 三つ首塔を管理している。一年前に弟子が逃げてから気難しくなった。 |
用語
用語 | コメント |
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三つ首塔 | 音禰たちの目的地。ここに来るまで何人かの血が流れた。まだ終着駅ではない。
黒川が三つ首塔について音禰に聞く。
玄蔵老人がしきりに三つ首塔のことを気にする。
玄蔵、大弐、省三の各自に似せた首人形(顔、首)がそれぞれの塔に納められている。
大弐像は史郎に似ている。
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ユトリロ | 風景画をよく書いていた画家。 |
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