横溝正史 白と黒
章
これ以上は核心のネタバレになので、後は本を読んでください。
出来事
年 | 月日 | 出来事 |
---|---|---|
昭和三十五年 | ||
五月八日 | 泰蔵、京美、団地に引っ越す。 | |
五月二十(十九)日 | 寿美子の兄に怪文書が届く。 | |
九月十七日 | 京美、怪文書が届く。内容が榎本の警告内容と同一のため榎本を疑うがアリバイあり。 | |
九月二十一日 | 京美、自殺未遂。順子、伍市で助ける。 | |
十月三日 | 午後一時 順子、日疋と窓から港の見える立派なホテルに行き、 マダムと連れの男性(一柳)を見かける。 |
|
十月十日 | 昼間 エカキとタマキ、現場作業員よりタールのことを聞く。 達雄、日疋に順子から手を引くように懇願。日疋がマダムのことを話す。
六時半
水島、出版記念会に参加 七時半 加奈子、達雄に会う。妻の浮気について相談される。
八時
順子、タンポポに殴り込む。
八時五分
十時
河村、タンポポから出て、伊丹のところへ。伊丹と会えたのは九時半。
八時半
順子、タンポポから帰る。入れ違いで京美がやってくる。 九時 京美、帰る。 九時四十分 タマキ、三太、池で伊丹が歩いて行くのを見かける。 日疋、一柳を監視(~十一時)。
水島、二次会に移動。
前後、1時間が犯行の時刻。遺体発見時の衣服は別の人間(男?)が着せたものらしい。
榎本、達雄に会う。酔っ払っていた。女の連れあり。女は根津に用事あり。 達雄、家とは別の方角に歩いて行く。
十時ちょっと前
伊丹、タンポポに訪れる(入れず帰ったと証言)。 十時ちょっと前~十時五分 達雄、タンポポの前で叫ぶ。
十時二十分
タマキ、池を離れる。 十時半 タマキ、家に帰る。 三太、根津と女性が一緒に歩いているのを見る。
十一時 タマキ母、家に帰る。水島と一緒だった。
十二時五十分
水島、最寄り駅に戻ってくる。 根津と女性、水島と会う。
|
|
十月十一日 |
九時
午前十一時半松江がタンポポに来たときは勝手口の鍵が空いていた。 十時 京美、タンポポに来る(少し遅れてタマキも)。マダムがいないことに気づく。 S・Y、犬を散歩。見知らぬ男が双眼鏡で団地を覗いているところを見る。
正午
京美、タマキ、食事のため一旦帰る。 一時 京美、再びやってくる(少し遅れてタマキも)。 一時半 タマキ、水島のところに遊びに行き、死体発見の騒ぎがあり、死体がマダムに見え、タンポポに引き返す。 →京美、死体を確認。
金田一、順子に招かれ、順子宅でご飯。
順子宅の向かいでマダムに死体発見。顔がグチャグチャで誰だかわからない。 |
|
十月十四日 | 寅吉宛の怪文書、投函される。 | |
十月二十五日 | 寅吉、怪文書(レディース・・・じゃない?今月十日の夜のことが書かれている)を受け取る。 その後、加奈子と大喧嘩。 | |
十月二十九日 | 午後四時 根津、順子に尾行されているのに気づく。 |
|
十月三十日 | 寅吉、加奈子、仲直り。 由起子、榎本の母とお茶会に行く。 タマキ、榎本、三太、京美、池の近くで朝ごはん。三太、根津犯人説を披露。 金田一、根津、順子、加奈子が合流。怪文書が届いたため池を見に来た。 水島、逃亡。
池を調査。達雄の遺体とファンシー・ボールと軍手が出てきた。
|
|
十月三十一日 | 根津、逮捕。軍手の持ち主だった。 | |
十一月一日 | あき子、警察を訪ねる。
あき子、榎本家を訪ねる。
|
|
十一月二日 | 伊丹、逮捕。 | |
十一月三日 | 由起子、タマキを見かける。 タマキ、白黒の意味が分かったので金田一に電話。 |
|
十一月四日 | タマキ、遺体で見つかる。 |
登場人物
人物 | コメント |
---|---|
S・Y先生 | 詩人。カピという犬を飼っている。金田一の親友。 |
金田一 耕助 | 名探偵。 |
等々力警部 | 金田一の名コンビ。 |
山川警部補 | 金田一と一緒に仕事をしたことがある。 |
志村刑事 | 金田一と一緒に仕事をしたことがある。 |
三浦刑事 | S署の刑事。
水島の後をつける。
|
宇津木 慎策 | 毎朝新聞社の記者。 |
須藤家関係
人物 | コメント |
---|---|
須藤 順子 | 金田一の依頼主。以前、スリーXというバーでハルミという名で働いていた。そこで、金田一、等々力と知り合う。
怪文書が届き、達雄が失踪したため、金田一に調査を依頼。
タンポポで洋裁の稽古(週2)
|
須藤 達雄 | 順子の夫。姿を消す。 |
日疋 恭助 K・H |
順子の不倫相手。
立花の紹介で一柳と知り合う。
|
岡部家関係
人物 | コメント |
---|---|
戸田 京美 | 怪文書の犠牲者の一人。自殺未遂。血の繋がらない伯父と二人暮らし。
タンポポで洋裁の稽古(毎日)
|
岡部 泰蔵 | 高校教師。京美の伯父。 |
岡部 梅子 | 泰蔵の妻。急性肺炎で死亡。校長をしていた。 |
白井 寿美子 | 善良で単純な中学校の先生。泰蔵の恋人。兄に泰蔵のことが書かれている怪文書(レディース・エンド・ジェントルメンが書かれていない?)が届く。 |
立花 隆治 | 泰蔵の二年後輩。二人とも柔道部。あだ名は突貫小僧。中近東で石油発掘して大儲け。一柳の応援で関西へ。 |
マダム関係
人物 | コメント |
---|---|
マダム
片桐 恒子
|
タンポポという洋裁店のマダム。
弱々しく見えるが芯は強い。美人だが陰がある。写真が大嫌いで一枚もない。
|
河村 松江 | 通いのお手伝い。 |
伊丹 大輔 | 大地主、商店街の家主。横柄な態度。 |
根津家関係
人物 | コメント |
---|---|
根津 伍市 | 団地には管理人。カラスを飼っている。
帝都映画関連の仕事をしている。
|
根津 由起子 | 根津の娘。水島に絵を習っている。 |
辻村 あき子 | 根津の元妻。十日に根津と会っていた。 |
宮本家関係
人物 | コメント |
---|---|
宮本 タマキ | マダム遺体発見時にエカキといっしょにいた女性。
顔も体もゴム風船みたいにふくらんでいる。善良そう。タンポポで洋裁の稽古。
|
宮本 加奈子 | タマキの母。道頓堀でカフェの女給をしていた。 |
宮本 寅吉 | タマキの父。極楽キネマの支配人。 |
その他団地住人
人物 | コメント |
---|---|
榎本 謙作 | 学生。帝映の演技研究所に通っている。重要な役に決まり喜ぶ。 |
エカキ
水島 浩三
|
四十から四十五、六歳。タールの作業をするのを現場作業員から聞いて知っていた。
戦前は売れっ子の絵描き、今は落ちぶれいるが胸を張って生きている。
タマキに依頼してマダムにラブレターを送ったことがある。 順子の不倫現場に居合わせたことがあるため、達雄に怪文書の犯人と怪しまれる。
|
姫野 三太 | マダムの写真を撮ろうとして怒られる。
三枚目。
|
その他
人物 | コメント |
---|---|
一柳 忠彦 | 兵庫県ご出身で、民々党の代議士。選挙に立候補。一昨々年の夏、奥さんがボートで転覆して行方不明。
奥さん = マダム。
|
一柳 繁子 | 一柳の娘。 |
渥美 俊政 | 政界の大物。 |
渥美 繁子 | 一柳の再婚相手。 |
用語
用語 | コメント |
---|---|
ホゾをかむ | 後悔する。 |
猪首 | 首が太くて短いこと。また、そういう首。 |
唯物的 | 精神よりも物質を物事の中心にすえて考えるさま。 |
血液型 | マダムの部屋に1滴残っていたのはB型、マダムはA型。伊丹はO型、達雄はB型。 |
金田一が団地から覗いている池
この池とドングリの実が、のちに起こった殺人事件に、なんともいえぬ異様な役割を果たしたのだ。達雄、失踪する前の言葉
きれいな顔をしやがってあの古狸めが……こんやというこんやは面の皮をひんむいて、二度とイタズラ出来ねえようにしてやるんだ……マダムに部屋にあった怪文書
白と黒と荘ホテルで
も当団地に
白か
泰蔵と寿美子、大衆食堂で根津に目撃されて
岡部泰蔵とそのかわいらしい同伴者は、ここで根津にあったということについて、神に感謝しなければならないだろう。もしそうでなかったら、学校の教師として不名誉な立場に立たされたかもしれない。ページのトップへ戻る