読書の途中経過

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綾辻行人 十角館の殺人



これ以上は核心のネタバレになので、後は本を読んでください。

出来事

月日 出来事
一九八五年
九月十七-十八日 中村和枝、寝室のベッドで絞殺。
九月十九日 使用人夫婦(北村夫妻)、斧で撲殺。
青司、紅次郎に和枝の左手首を送りつける。
紅次郎、青司に電話を掛けると「北村夫婦も吉川も殺した。地獄で待っているぞ。」と告げられる。
九月二十日
中村青司、焼死。
中村青司邸、炎上。中村青司、和枝、使用人夫婦の四人が遺体で発見。一緒にいたはずの庭師は行方不明。
一九八六年 三月二十六日 一日目・島。エラリイ、カー、ルルウ、ポウ、アガサ、オルツィ、島に移動。ヴァンと合流。
一日目・本土。江南、青司より謎の手紙が届く。紅次郎に会いに行き、島田と知り合う。その後に守須と合流。
三月二十七日 二日目・島。朝起きるとテーブルに以下のプレートが置いてあった。
  • 第一の被害者:オルツィ
  • 第二の被害者:カー
  • 第三の被害者:ルルウ
  • 第四の被害者:アガサ
  • 最後の被害者:ポウ
  • 探偵
  • 殺人犯人
二日目・本土。島田と江南、政子に会いに行く。その後に紅次郎の家に行くが留守。二人で話した後に守須の家に行く。
島田は千織の親が青司ではなく紅次郎と考えていて、本人に聞きたがる。守須に本人に聞くべきではないと諌められる。
三月二十八日 三日目・島。オルツィが遺体で発見される。絞殺。左手首が切り取られている。死亡推定時刻は七時から八時頃。
みんなで島を調べる。エラリイは青司が生きてる説を主張。
夜、みんなでコーヒーを飲むが、カーが毒入りを飲み、その後死亡。
三日目・本土。島田と江南、ミステリ研究会メンバーを島に送った若者に話を聞く。
三月二十九日 四日目・島。カーの左手首がバスタブの中で発見される。エラリイ、青屋敷の焼跡で地下室を発見。調べようとしたところ罠にかかり軽いケガをする。地下室には特になにもなし。
みんな精神的に疲れてて、エラリイ以外はポウに薬を貰って寝る。
四日目・本土。島田と江南、紅次郎に昨年の惨劇の話を聞く。その後、守須に会い顛末を語る。
三月三十日 五日目・島。ルルウ、なにかを思い立つ。
ヴァン、アガサの死体を発見。
ルルウの部屋に例のプレートが貼られている。
ルルウ、外で遺体で発見される。
エラリイ、千織が青司の娘ということを切り出す。その話の最中にポウが毒煙草を吸って死亡。
エラリイ、地下室を発見しその中で白骨死体を発見する。
その後、十角館炎上。

登場人物

島に行ったミステリ研究会メンバー

人物 コメント
エラリイ ひょろりと背の高い、色白の好青年。法学部の三回生。ミステリ研究会の会誌「死人島」の編集長。
カー 青々としゃくれた顎を持つ。アガサに振られ、オルツィにも相手にされない。法学部の三回生。
ルルウ 文学部二回生。ミステリ研究会の会誌「死人島」の次の編集長。
旅の主催者
ポウ 無精に伸ばした長い髪、顔の半分が髭の大男。医学部の四回生。オルツィの幼馴染。
アガサ ソフト・ソバージュの長い髪を持つ女性。
オルツィ 小柄な女。臆病。島に来たのは死者に対する追悼のため。
千織とは仲が良かった。
ヴァン 先に島に来ていて体調を崩している。理学部の三回生。
叔父がこの島を手に入れた。

その他登場人物

人物 コメント
中村青司 島に青屋敷という建物を建てて住んでいた。半年前の事件で焼死。
中村和枝 青司の妻。半年前の事件で窒息死。左の手首から先を刃物で切り取られていた。青司とは幼馴染でいいなずけ。
中村千織 青司、和枝の娘。新年会の三次会で急性アルコール中毒で死亡。
中村紅次郎 青司の弟。高校教師。仏教学の研究が好き。兄とは仲良くない。
吉川誠一 行方不明の庭師。
吉川政子 誠一の妻。控えめで人の良さそう。
島田潔 紅次郎の友人。実家はお寺。ミステリー好き。
江南孝明 元ミステリ研究会。青司より謎の手紙が届く。ドイル。
守須恭一 江南の友達。安楽椅子探偵の立場を取る。

用語

用語 コメント
嵐の山荘 クローズド・サークル。なんらかの事情で外界とは隔絶された状況下で事件が起こるストーリー
エラリー・クイーン アメリカの推理作家。バーナビー・ロス名義でも活動。
「Xの悲劇」、「Yの悲劇」、「エジプト十字架の秘密」、「ギリシア棺の秘密」、「災厄の町」、「十日間の不思議」、「九尾の猫」など
ジョン・ディクスン・カー アメリカ合衆国の推理作家。密室殺人を扱った推理小説で知られる。
「三つの棺」、「火刑法廷」、「皇帝のかぎ煙草入れ」、「ユダの窓」、「黒死荘の殺人」、「ビロードの悪魔」など
ガストン ルルー フランスの小説家。
「黄色い部屋の謎」、「オペラ座の怪人」など
エドガー・アラン・ポー アメリカ合衆国の小説家、詩人、評論家。
「モルグ街の殺人」、「盗まれた手紙」、「マリー・ロジェの秘密」、「アッシャー家の崩壊」、「黒猫」、「黄金虫」など
アガサ・クリスティー イギリス生まれの推理作家。ミステリーの女王。
「そして誰もいなくなった」、「オリエント急行殺人事件」、「アクロイド殺人事件」、「ABC殺人事件」など
エムスカ・オルツィ
(バロネス・オルツィ)
ハンガリー出身のイギリスで活躍した作家。
「紅はこべ」、「隅の老人」など
S・S・ヴァン・ダイン アメリカ合衆国の推理作家・美術評論家。
「グリーン家殺人事件」、「僧正殺人事件」など
安楽椅子探偵 探偵が事件現場に赴くことなく、情報として与えられた手がかりのみで事件を解決する

カー、エラリイ、ポウの会話。カーが昼から酒を飲み始めたことに対して・・・

「ちょっとは控えるべきじゃないかな。昼間だからというだけじゃなく……」
「はん。おたく、まだあのことを気にしてるのかい」
「分ってるのなら」
「分ってないね。あれからもうどれだけ経つ。いつまでも気にしてたって始まらないさ」

中村青司より江南孝明(紅次郎、ミステリ研究会メンバーにも)に届いた手紙

「お前たちが殺した千織は、私の娘だった。」

謎のプレートについて誰かの冗談と捉えられていることにたいして

少なくともこの時、例の殺人予告のプレートは文字通りの意味しか示さないのだと知る人間が一人、確かにこの島にはいたのである。


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