横溝正史 夜歩く
章
核心のネタバレになので、後は本を読んでください。
出来事
年 | 月日 | 出来事 |
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去年 | ||
? | 守衛、誤って自分の足をピストルで撃つ。 | |
? | お喜多、直記に追っ払われる。 | |
夏 | 九州の博多から八千代宛に奇妙な手紙(結婚相手と主張)が届く | |
↑の一ヶ月後 | 京都から八千代宛に奇妙な手紙(運命の結婚相手と主張)が届く | |
東京からも届く。写真付き。本人は佝僂。「――汝夜歩くなかれ」。 | ||
十月三日 | キャバレー花の狙撃事件。 | |
今年 | ||
↓の一週間前 | 小市が古神家に泊まりこむ。八千代が招待。 | |
三月七日 | 直記が寅太のところに飲みに来る。 | |
三月八日 | みどり御殿に行く。 泥酔した鉄之進が小市を刀で斬りつけようとするが、失敗して池に落ちる。 |
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夜 | 蜂屋が食事に来ないため、八千代が見に行くが乱れた姿で戻ってくる。肩にミミズ腫れ。
お藤、蜂屋に水を届ける。
→嘘で実は部屋に入っていない。
守衛、八千代と密会の約束をする。
八千代、夜歩く。
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三月九日 | 佝僂の首なし死体が発見される。
死体の太ももに傷があるため、死体は蜂屋?
→お藤の証言で蜂屋と判明。
ベッドのすぐ右側の壁に「Yachiyo」の文字。
八千代のスリッパの裏側が血でべったり。
金庫は閉まったままだったが、村正は血でべったり。
守衛も消える。部屋のスーツケースがなくなっているので、旅に出た?お喜多のところ?
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蜂屋の葬式から二日後 | お喜多、上京。
鉄之進、夜歩く。
守衛の首、鉄之進が夢遊病で歩いた先で発見。
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↑の次の日 | 八千代、手紙を残して失踪。 | |
四月二十日 | 鉄之進、お柳、四方太、鬼首村に移動。 | |
↑少し後 | お藤、鬼首村に移動(直記が連れて行き戻ってくる)。 | |
五月二日 | 直記、鬼首村に移動。
お静を妙照の寺に連れて行く。
直記が、家に着いたら八千代が直記の部屋で寝てた。
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五月四日 | 村人より蜂屋の目撃情報あり。 | |
五月五日 | お藤、八千代の部屋より蜂屋らしき人物が出てくるのを目撃。 | |
五月六日 | 寅太、鬼首村に移動。 金田一に会う。 妙照、直記に会いに来る。
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夜 | 鉄之進が泥酔して、お藤に刀で切れかかり、四方太が止める、 直記が騒ぎを止め、刀を取り上げ、寅太に預ける。 寅太に預けていた刀が消える。 八千代が消える。寅太、直記、金田一で探しに行く。
蜂屋らしき人物(佝僂)が刀を持っているのを見かける。
竜王の滝にて首のない八千代の寝間着姿を着た遺体が発見される。
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五月七日 | 洞穴にて血まみれの刀とコムパクトを発見。
寅太、金田一、妙照に会いに行く。
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登場人物
人物 | コメント |
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金田一耕助 | 不思議な男。鉄之進に呼ばれ寅太、直記と共に鬼首村の古神家に向かう。
事件を調査しに来た私立探偵。
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磯川警部 | 県の警察本部の警部。腕利き。金田一の知り合い。 |
屋代寅太 | 飲みながら、直記の話を聞いている。
小説家志望。三十五歳。三流探偵小説家。
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仙石家
古神家の家老の家柄。古神家から恩人扱い。
人物 | コメント |
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仙石鉄之進 | 直記の父。直記と八千代を結婚させたがる。金力と権力の権化。
酒乱。大酒を飲むと刀を持ってあばれだす。
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仙石直記 | 飲みながら、寅太に相談。
寅太のパトロン。三十五歳。八千代が不安がっているため、寅太を家に呼ぶ。
夢遊病者。
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源造 | 召使い。 |
お藤 | 洋館の女中。 |
離れの家の女
お静
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離れの家に閉じ込められていた。直記の恋人?。寅太を家くる2~3日前に車でどこかに連れて行った。
直記が妙照の寺に連れてきたが、その次の日に姿を消す。コムパクトの持ち主。
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妙照 | 海勝院の尼。直記に会いに来る。
直記に会いに行ったのは、お静が姿を消したため直記に報せるため。
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古神家
人物 | コメント |
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古神織部 | 守衛、八千代の父。 |
お柳 | 八千代の母。八千代を産んでから織部の正妻になる。鉄之進と大人の関係。
四十を超えているが、三十そこそこの若さに見える。
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古神守衛 | 八千代の腹違いの兄。母はすでに亡くなっている。佝僂。32、3歳。
八千代に惚れている。
大量の媚薬を隠し持つ。
八千代に狙撃事件に佝僂が来ると教え足を撃つように指示。
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古神八千代 | 直記が言うには、道徳もへったくれもない娘。23、4歳。
小市と結婚したがっている。
実はキャバレー花の狙撃事件の犯人。
実は父親は鉄之進。
夜に歩く癖がある、夢遊病。
嫌がらせの手紙が小市が出していると思い、狙撃事件で狙撃。
小市のことが勘違いとわかり、人となりを知ると興味がわく。
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四方太 | 織部の異母弟。少し頭が弱い。
発見された首を守衛と判断。
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お喜多 | 守衛の乳母。今は、作州の奥にいる。去年、直記に追っ払われる。
直記の打った電報に驚いて上京。守衛が殺されたと言い張る。
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その他
人物 | コメント |
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蜂屋小市 | 佝僂画家。金持ちでお洒落。キャバレー花の狙撃事件で足を撃たれる。
八千代の招待されてみどり御殿に滞在。
鉄之進に刀で殺されそうになる。
なぜ八千代に家に呼ばれたか不明で理由がわからなくて不安だが、八千代がいるから出ていけない。
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用語
用語 | コメント |
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佝僂 | くると読む。脊椎上部が異様に湾曲しているため背中が丸くなっている人([類語・類義語(同義語)辞典]を参照。http://ruigo.quus.net/)。 |
女蕩し | おんなたらし。 |
後生気 | 来世の安楽を願う心。後生心。(weblio辞書を参照 http://www.weblio.jp/) |
刀
村正
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直記と八千代が隠したが、押入れに移動されていた。
村正・・・色々な伝説を持つ妖刀。
仏壇に隠したが押入れに移動されていた。直記と八千代が隠したのだが、八千代が夢中遊行時に移動させた?
直記と寅太で金庫に入れる。鍵は直記、暗号は寅太がかける。
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女易者が占う八千代の未来
「御安心なさい。このお嬢さまは決して佝僂にはおなりなさいません。きっと丈夫に健かに美しくお育ちになります。しかし」「その代わり、この方のお婿さまになるかたが佝僂でございましょう。お気の毒ですが、こればかりは神様の思召しでございますから、人力ではなんとも致し方がございませぬ」
洋館の首なし死体の部屋の壁の文字
Yachiyo八千代、失踪時の手紙
あたしは逃げます。誰もあたしのいう事は信じてくれないでしょう。いえいえ、信じないのは他人ばかりじゃない。あたし自身、自分が信じられなくなりそうです。あたしは逃げます。すがたをかくします。誰もあたしを捜さないで下さい。捜してもムダですから。 八千代ページのトップへ戻る